根抵当権変更契約書【無料の雛形・書式・テンプレート】
建物や土地に設定されるという点や、登記をしなければ、第三者(他の債権者など)にも対抗できない点は抵当権と同じです。根抵当権は、継続的な取引において、多数の債権を担保するために利用されます。継続的な取引に利用されますから、債権は常に変動します。そこで、一定枠(極度額)を定め、「その枠の範囲内での一定の債権を担保する」というような形になっています。
根抵当権変更契約書のサンプル(見本)
根抵当権設定契約書
根抵当権者○○興産株式会社(以下「甲」という)と債務者兼根抵当権設定者△△商事株式会社(以下「乙」という)とは、根抵当権の極度額および被担保債権の範囲の変更に関し、次のとおり契約を締結した。
第1条(極度額の変更) 甲および乙は、甲乙間の平成○年○月○日付根抵当権設定契約(以下「原契約」という)にもとづき後記不動産に設定した根抵当権(平成○年○月○日○○地方法務局○○出張所受付第○○○号により登記済、以下「本件根抵当権」という)の極度額および被担保債権の範囲を、次のとおり変更する。
- ①極度額
- 変更前 金2、000万円
- 変更後 金3、000万円
- ②被担保債権の範囲
- 変更前 甲の乙に対する下記債権
- ① 平成○年○月○日付特約店契約にもとづく債権
- ② 手形債権、小切手債権
- 変更後 甲の乙に対する下記債権
- ① 平成○年○月○日付特約店契約にもとづく債権
- ② 金銭消費貸借取引にもとづく債権
- ③ 手形債権、小切手債権
第2条(登記義務) 甲および乙は、本契約締結後直ちに、前条による変更の登記手続きを行うものとする。
2 前項の登記に関する登録免許税、登記申請手続の費用その他の費用は、乙の負担とする。
第3条(利害関係人) 甲および乙は、本件根抵当権の目的物件には、本件根抵当権に劣後する担保物件その他極度額の増額につき利害関係を有する第三者は存在しないことを確認する。
第4条(原契約の適用) 本契約に定めるものの他はすべて原契約の各条項が適用または準用されるものとする。
以上本契約の成立を証するため本書2通を作成し、甲乙記名捺印の上各1通を保有する。
平成○年○月○日
(物件目録省略)
東京都○○区○○町○丁目○番○号
甲 ○○株式会社
代表取締役 ○○○○ 印
東京都○○区○○町○丁目○番○号
乙 △△株式会社
代表取締役 △△△△ 印
極度額の変更
根抵当権は抵当権者と設定者の合意によって、極度額を変更することができます。ただし、極度額の変更は他の第三者の法的地位に影響を与えますから、利害関係人の同意を得ることが必要です。この場合の利害関係としては、極度額の増加であれば後順位の担保権者が、極度額の減額の場合には転抵当権者等があげられます。極度額変更を登記する際に、利害関係人の同意書を添付する必要があります。根抵当権の極度額の変更は、取引高の増加などの場合によく行われています。変更契約書には、どこをどのように変更するのかが明確にわかるように記載します。「変更前」と「変更後」を区別して記載するとよいでしょう。
被担保債権の変更
被担保債権の範囲の変更は、元本確定前に限って認められ、根抵当権者と設定者の合意によってなされます。なお、この変更は元本確定前に登記しないと、効力を生じません。