会社が倒産した場合にはどうなるのか

スポンサーリンク

倒産すると賃金はどうなるか

会社が倒産した場合に、給料や退職金などの労働債権をどう確保するかは重要な問題です。
また、倒産に至る過程の中で、すでに給料の遅配があったかもしれません。

労働者としてはどのような手を打てばよいのかを知っておきましょう。

労働債権の存在を確認する

労働債権の一部については、破産の配当に優先する債権として扱われます。
このため、会社の倒産時において、労働者はほかの債権よりも優先して未払い賃金などの弁済を受けることができます。

したがって、まず、未払い賃金を一般債権に優先して確実に支払うように要求します。
労働債権の額が確定できれば、会社財産に対する差し押さえを検討します。
ただ、源泉所得税などの国税や、住民税などの地方税、健康保険などの社会保険料は、労働債権よりも優先されることもあります。

経営者が行方知れずになっていて、請求先が明確でないという場合には、タイムカードや給与明細書など給料や退職金の額が確認できるものを確保して、労働基準監督署に相談し、その指導に従って未払い賃金の原資(資金源となる財産)を保全します。

未払い賃金の立替払い制度

未払い賃金については、「賃金の支払いの確保等に関する法律」(賃確法)による未払い賃金の立替払い制度を利用できる場合があります。
これは、会社が倒産した場合に残っている未払い賃金の総額のうち、8割を「独立行政法人労働者健康福祉機構」が立替払いしてくれるものです。

ただし、未払い賃金の総額には上限が定められています。
この制度では、退職日の6か月前の日から労働者健康福祉機構に対する賃金立替払い請求日の前日までの間に支払い期間が到来している賃金や退職金で、未払いのものが対象になります。

倒産すると社内預金や社内貸付はどうなるのか

会社が倒産するに至った場合、経営者側が社内預金を使い込んでいるケースもあります。
このような場合、労働組合があれば組合を通して、組合がない場合には社員の代表を通じて労政事務所や労働基準監督署に相談するなどの対策を取り、その指導に従って、社内預金の返還に向けた行動を起こすのがよいでしょう。

また、社内貸し付けなど、会社から直接融資を受けている場合、会社との労働関係が終了しているわけですから、一括返済を考えなければなりません。
会社に対して債務が存在することになりますから、金融機関と協議をしたうえで返済計画を立てて返済するといった対応が必要になります。