会社に減額された賃金を請求する

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労働条件は就業規則や労働協約に定められている

賃金や勤務時間といった労働条件は、個別の労働者と会社が合意することで決められるのが原則です(労働契約法3条)。
ただ、一人ひとりの労働者とそれぞれ個別に労働条件を定めている会社は少なく、就業規則(労働条件や服務規律について定めた社内のルールのこと)や労働協約(労働組合と会社との間で結ばれた合意のこと)によって労働者全体に適用される労働条件を定めるのが一般的です。

就業規則や労働協約という別の規律で労働条件が定められているとなると、時としてそれぞれの内容が食い違っているという事態も生じ得ます。
この場合、労働基準法>労働協約>労働規則という順序で効力を判断します。

つまり、就業規則で労働者全体に適用される労働条件を定めていたとしても、労働協約や労働基準法に反する規定を置くことはできないということになります

就業規則を労働者にとって不利益に変更する場合

経営状況が悪化した場合、会社はやむなく労働者に不利なように労働条件を変更しなければならない場合が出てきます。
そして労働条件の変更が、就業規則の変更によって行なわれることもあります。

労働者の同意を得られなくても会社の判断で就業規則が変更されてしまうことはありますが、就業規則の変更により労働条件を不利益に変更する場合には原則として労働者との合意が必要です。

ただ、例外的に、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の妥当性、といった事情から判断して適当といえる場合には労働者の同意が得られなくても、就業規則の変更により、労働条件が不利益に変更されることがあります(労働契約法9条、10条)。